エコセメント化施設稼働差し止め裁判 東京高裁判決の矛盾だらけの判決内容!

今年度は、3月26日にエコセメント化施設差止め訴訟の東京高裁で控訴棄却判決がありました。以下にまことに遺憾な2015326日の東京高等裁判所の判決とその要旨と判決に対する私たちの意見を述べさせていただきます。

 

判決の要旨

エコセメント化施設から放射性物質が周辺に排出されていないことから、控訴人の健康被害はエコセメント化施設との因果関係が認められない。

 

判決に対する私たちの意見

  1. 異例に長い控訴審裁判

エコセメント裁判は、東京高裁での控訴審が始まってから、3年を超える異例の長期間の審理が継続されてきました。さらに、これまた異例ともいえる裁判長が3回も代わり昨年の815日にようやく結審となり、判決言い渡し日が、これまた6か月以上も先の2015326日という長きに及びました。

 

  1. 裁判の経緯

当初高裁の裁判長は、早期に結審する予定で審理を進めておりました。しかし、地裁での結審直前に、福島原発事件(人為的な事故なので、あえて事件ということにする)が発生し、エコセメント化施設周辺への影響があることはわかっていたが、十分な審理ができないまま判決が下っての控訴審でした。したがって、通常の控訴審と違い、放射能汚染に関しては、控訴審の場で事実上争われた。その意味では、事実認定を一部含んだ控訴審となっていた。したがって、放射能汚染の有無に関しては十分な審理が必要とされてしかるべきでした。

そこで、日の出弁護団長の梶山弁護士は、2011311日の福島第一原発の事故以降に発生した三多摩地域の放射能汚染による高濃度に濃縮された焼却灰のエコセメント化施設周辺の汚染問題が全く審理され尽くされないままで結審することは、法曹としての責任を放棄するものであるとの叱咤により、2番目の裁判長は予定していた結審を断念しました。

その後、控訴人の証人尋問を請求し、一度は却下されましたが、証人尋問の必要性・重要性を裁判長に説き証人尋問を実現させました。

証人尋問の中では、エコセメント化施設周辺の放射能汚染があきらかになり、裁判長もこれを認めざるを得ませんでした。

最終的には、裁判長は汚染があると認めたうえで、控訴人達に汚染による健康被害がどの程度あるのかの認定をしたうえで、結審し、判決を出すことになりました。

一方審理の中で、被控訴人は、この裁判の前の処分場差し止め裁判の判決で、処分場からの汚染による健康被害については認められていなかったことを主張しました。

これに対して梶山弁護士は、処分場差し止め裁判の判決ではそのようなこと言っていない、判決はごみの処分必要性と住民が健康被害を受忍することを比較して、差止めをしてまで、住民に健康被害が危機的な状況が明らかになっていないと判断したことをきっぱりと主張しました。

そして控訴人達が、31年の長きに渡り処分場からの汚染による健康被害に苦しんできたこと、および今回の放射能汚染による健康被害の両方を本法廷できちんと評価をすべきであることを主張してきました。

「たまあじさいの会」が長年にわたり、さまざまな生態系や土壌、大気、水質などの粘り強く継続的な汚染被害の調査による結果は、科学的な手法でなされてきたことが認められ、高裁裁判長も認めざるを得なかったのです。

その結果、汚染と健康被害の結果は科学的に明らかにすることができました。

 

  1. 奇妙な判決直前の裁判長の入れ替わりと矛盾だらけの判決文

上で述べたように裁判長が、放射能汚染を認めたので、次のステップに進み、裁判長は、私たち控訴人にどのような健康被害について明らかにすることを求め、それを見て判断し結審することになりました。

そこで、私たちは上で述べたように、健康被害とエコセメント化施設からの汚染の関係を明らかにした陳述書を提出しました。日の出町全体で、がん以外に心疾患、脳疾患、肺炎による死亡率が処分場およびエコセメント化施設が運用されて以来、全国平均に比較して異常に高騰していること、日の出町、青梅市の小学生のアレルギー性疾患の異常なまでの高騰が、処分場からの焼却灰や粉じんそのものや粉じん中の重金属や有害化学物質やエコセメント化施設から大気中に放出された二酸化窒素、二酸化硫黄、放射性物質などを体内に吸引したことにあることを医学的に証明してきました。しかし、最終の法廷で突然3人目の裁判長に代ることが、いきなり言い渡されました。3人目の裁判長の下した判決文を読むと、私たちの陳述の内容を理解もせずに、2番目の裁判長が認めたエコセメント化施設からの放射能汚染さえもなかったことになり、全体に矛盾だらけの内容で、控訴棄却ありきの結論に導き、強引にも控訴棄却の判決でした。

私たちは、この無謀な判決に対して2015420日に最高裁判所へ上告いたしました。   (文責 中西)