事業認定取消.収用裁決取消請求の最高裁棄却決定に抗議する


 事業認定取消、収用裁決取消請求訴訟の上告に対して最高裁第一小法廷(宮川光治裁判長)は昨日上告棄却の決定をし、本日(2009年7月3日)通知が届きました。

口頭弁論をすることなく裁判官だけの判断で下した決定であり、どれだけ審理をしたのか疑問です。私たち70名の上告人は許せない思いでいっぱいです。

この裁判はトラスト共有地の土地の収用に関して1996年3月と2000年1月に提訴された二つの裁判が併合して審理され、第1審では延べ4人の裁判長が交替し、合計27回の弁論、20回の進行協議、1回の現地調査、1回の現地資料採取と膨大な証書、資料が提出されました。しかしその東京地裁では4人目の鶴岡裁判長がたった1回の進行協議と1回の弁論を担当しただけで、棄却の判決を下しているのでした。

 その地裁判決を不服として2005年12月に108名の原告で控訴しましたが、第2審では2008年3月31日東京高裁の藤田啓裁判長によって地裁判決をほとんどそのまま踏襲したような全く不当な棄却の判決がありました。違うのは1審で認めなかった処分場の「遮水シートの破損の可能性を否定できない」とした点と「有害物質が全く漏出しないとまで認めることはできない」ということぐらいでした。しかし、それでもそれらを理由として第1審の判決を覆すことはありませんでした。

今回はその1、2審の誤りを正してくれるかもしれない、資料を精査して処分場の危険性を認めてくれるかもしれないとの思いで70名の原告が上告していたものです。この誤ったごみ処理行政が続けば、私たち三多摩住民の命と健康が蝕まれ、自然破壊をさらに大きくしていくだけだと思います。

私たちは行政の不作為、司法の不作為がこのまま続かないよう、今後もごみ処分場問題、環境問題、行財政問題について注目し発言を続けていきたいと決意を新たにしているところです。

    2009年7月3日

 (事業認定取消、収用裁決取消請求訴訟の上告人兼申立人 標 博重)

(同   大澤 豊)