三多摩地域市町村議員の皆様へ

 

震災がれき処理を全国の自治体に課す政府方針に反対する

                          

 日の出の森・支える会運営委員会

 

 政府は岩手県と宮城県の震災がれきの処理を東京都や全国の自治体も受け入れろという。すなわち、被災地の復興を促進するために、両県の放射性物質の濃度が比較的低いがれきを全国の自治体の焼却炉で燃やし、灰や不燃物はセメントにしたり、埋め立てろという。私たちは政府のこの方針に以下の理由で反対する。

 両県の震災がれきは、街の復興予定地から、すでに仮置き場へほぼ100%搬入済みである。したがって、いま全国の自治体ががれきの処理を受けいれても、両県の街の復興を直接促進するわけではない。

 また、がれきの広域処理は放射性物質も含めたさまざまな汚染物質を東日本から関東地方などに移動・拡散させることになる。国はことさらに「安全」を口にするが、その安全の確認方法についてはさまざま疑問点、問題点が指摘されており、受け入れ側の自治体住民の不安が非常に大きいことは周知のとおりである。

さらに、広域処理を選択すればがれきの長距離輸送が必須となる。費用的に得策でないことは言うまでもない。

 いま急ぐべきことは、がれきを街から離れた自区内の共有地などに屋根つきの容器に「封じ込める」ことである。なぜなら、仮置き場ではがれき浸出水による地下水汚染、放射性物質による大気汚染、火災や衛生害虫などが発生しているからである。

 封じ込めの容器はたとえば1ヶ所にまとめた場合、岩手県のがれきの量は450万トンであるから、1キロメートル四方、高さ5メートル弱の大きさになるが、がれきの8割強はコンクリートなどの不燃物である。安全が確認されるならこれらを沈下した土地のかさ上げや路盤材に使える。したがって、封じ込め容器の大きさははるかに小さくてすむ。さらに、封じ込め容器の建設、がれきの分別、輸送などに多くの雇用が生まれる。雇用こそ被災地の人々が切望していることの一つである。

 もちろん、がれきの焼却はやってはいけない。焼却・埋めたては、コストがかかりすぎるだけではなく大気・地下水などをつうじて汚染を拡散する。そのことはすでに東京・日の出町の二つの廃棄物処分場で実証済である。

 以上の理由で、震災がれき処理を全国の自治体に課す政府方針に反対する。

 

                                2012214

 

 

                     日の出の森・支える会運営委員会

190-0011  東京都立川市高松町2−19−1