
| 本日、東京都の行政代執行責任者より、「日の出の森・トラスト運動」の権利者が共有する、このトラスト地につき、地上物件移転の代執行を行うむね宣告がなされました。 しかし、私たち「日の出の森・トラスト運動」の権利者は、次に述べるような理由と意味合いにおいて、この代執行を、法的にも社会常識的にも、正当なものとして認めることができません。 1 このトラスト運動は、自然環境を破壊しない・汚染しない、即ちあらゆる生物・植物への危険性をもたらさないことを求めて、純粋で崇高な理念と、誠実な市民意識により始められた、最も身近な環境保護運動の一環である。 私たちの、この明確な運動理念とそれに基づく実践活動は、最初からこんにちまで、、変わることなく一貫しており、現社会と未来世代への大きな責任感を全うしようとしているものである。 したがって、言うまでもなく、東京都知事・石原慎太郎氏が、つい最近吐いた「反対のための反対」というお粗末な暴言とは、全く無縁の運動である。 石原都知事に申し上げたい。「1200万都民の行政を預かる貴方には、そんな次元の低い発想しか生まれないのか。それとも、貴方のいつもの傲慢さが言わせているのか。石原都知事よ、東京の水道供給責任者である貴方は、せめてこの隣りにある谷戸沢の第1処分場における、長年にわたる埋立て廃棄物からの地下水汚染をしっかり調べてから、ものを言いなさい。」 私たちは、このような都知事の無知で誤った発想に基づく強権発動に、背筋の寒い思いがする一方、ますますこの代執行の不当性を痛感し、これを認めることができない。 2 私たちは、三多摩地域、延いては東京および日本の深刻なごみ問題の在り方について真剣に考え、その制度や行政の誤った部分を改め、あるべき方向の一端を提言したりしながら、このトラスト運動を展開してきた。 東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合とそれを構成する26市1町およびこれらを指導・支援する東京都は、いずれも私たちのこうした批判・提言等に耳を傾けることなく、旧態依然とした「燃やすか砕いて埋める」方式のごみ処理行政から脱皮できない。 これでは、谷戸沢の第1処分場や、この二ツ塚の第2処分場のような、巨大なごみ処分場を、次々に自然破壊を拡大しながら造り続けても、際限ないではないか。いったい次はどこに造るのか。 私たちは、こうした愚かしいごみ政策を、根本から改革することを願って、即ち、「ごみゼロ社会」への方向を目指して、このトラスト運動を行っているのである。行政が市民と一緒に、最も真剣に取り組まなければならないこうした方向に耳をかさず、力ずくででも処分場造りを推し進める強制収用を、私たちが認められる訳がない。 3 ここ日の出町に造られた二つの巨大な処分場には、人口265万人を擁するよその自治体からのごみが持ち込まれているのである。このような他の地域への巨大なごみの押し付けが、行政によっていつまでも当然のごとく続けられる姿は、全く不健全そのものである。例え金の力で受け入れさせているとしても社会正義に大きく反している。 私たちは、民主主義社会にあっては、何よりも社会正義が重んじられなければならないと考える。こうした意味からも、この処分場造りには余りにも多くの否定的要素があり、これらを全く無視した強制収用は健全な社会的常識に反するもので、とうてい認められない。 4 私たちは、東京都知事が行った、土地収用法に基づく事業認定が違法・不当なものであるとして、その取り消しを求める裁判を起こし、目下真理は継続中である。 また、私たちは東京都収用委員会が行った収用裁決・明け渡し裁決が違法・不当なものであるとして、その取り消しを求める裁判を起こし、これも審理が継続中である。特に、この件については、東京都収用委員会が裁決の中で、処分組合の収用申請に数箇所の違法性があるとしておきながら、収用は認めるという不当な裁決を行った点もあり、初めに収用ありきの不公正・馴れ合いがありありと認められる。私たちはこのような不当な裁決が認められて良いはずはないので、これに基づく行政代執行も違法なものとして認めることができない。 この件では、建設大臣に対しても行政不服審査法に基づき「審査請求」を提出してあり、まだ結果が出されていない。 さらに、収用にあたって処分組合が、私たちに払い渡したと称する補償金のうち、明らかに違法な法務局への供託が数多くあり、そのうち10件については、供託無効の裁判を起こしている。これも目下審理中で裁判所の決定は出ていない。 このように、私たちは、収用の法的疑いについて重要な裁判をいくつも起こしているのであり、これらの結果も見ず、むしろこれを殊更無視した代執行の強行は、余りにも不当なものとして認めることができない。 5 私たちトラストの各権利者は、運動の趣旨に共鳴して、それぞれ任意に土地の共有持分を取得して権利者になった者である。したがって、全体が一個の法人格を有するものでははない。即ち、一人一人が独立した権利者である。 ところが、行政代執行を行なう東京都知事は、あたかも一個の人格であるかのような誤った扱いをして、十把ひとからげに代執行令書の中身を記載してきた。 即ち、私たちは権利者全員の同意がなければ、それぞれの地上物件を処分することは、民法上違法となり、例え都知事に撤去を要求されても、一人一人では実行することができない。それを無視して知事は、権利者各人に撤去を求める令書を送り付けてきた。そして、私たちが撤去に応じないからという理由で今回の代執行を行なうというのである。 法律によってできないことを強制しているのである。これは、東京都知事が2800人余りの人に法律違反を強いるのもで、このようが代執行令そのものが違法であり、したがって無効となるべきものである。 私たちは、違法な代執行を認めることはできない。 代執行令書では、代執行費用の総額と思われる法外な概算見積額を一人一人に通告している。トラストの権利者の大半は、土地の持分が25000分の1という極めてわずかなものである。 代執行令書という厳格な公文書において、その重要な記載事項である代執行費用の記載内容が、受け取った者には全く理解しがたいような、誤ったものは、その令書としての効力を有しないものと考える。 私たちは、このようにずさんで、違法性のある代執行令書を認めることはできないから、これにより実施されるこの代執行も違法なものとして認めることはできない。。 仮に、処分組合が地上物件を撤去したい場合には、このようが違法な行政代執行に頼るのではなく、民事裁判なり民事交渉で解決を図る筋合いのものである。 以上、私たちは、今回の代執行が、主要な点だけでも数々の違法性や不当性に満ちており、到底このような力ずくで強行することのできるものではないことを主張いたします。 東京都知事は、直ちにこの違法な代執行を取り止め、自ら順法精神に立ち返って、謙虚に問題点の調査・検討を行なうよう、私たちはここに重ねて要求するものであります。 これをもって、「日の出の森・トラスト運動」の、代執行を認めない宣言といたします。 |