10月13日(金)
 

 10日11日の行政代執行の悔しさも薄れない13日、
私たちは都知事及び財務局に向けて抗議の行動を起こした。
都庁前とみん広場には約80人が集まった。

 ●集会

広場では東京都の強引な行政代執行に対する怒りが、何人もの人たちの口から語られた。

 「私はただ、安全な環境の中で子どもを健康に育てたかった。それだけの思いで今までやってきたのに、どうしてそれが『反対のための反対運動』なんですか、石原さん!納得できません…」 

 幼い子どものいる母親は、そう言って涙をながした。石原都知事の、市民を見くだした、しかも恥ずかしいほどに不勉強な記者会見での発言に、誰も納得できなかった。何を問いかけても一切答えない行政の態度も理解できなかった。そして、何より、なぜあのような強引な強制収用が行なわれなければならなかったのか、私たちにはどうしてもわからなかった。許せなかった。


 ●庁舎入り口の封鎖

 その後知事室へ向かい、いざ都庁に入ろうとして驚いた。なんと正面玄関がガードマンによって封鎖されているのだ。前代未聞である。これまでも収用委員会や知事室の前で、部屋にいれないとドアを閉められたことはあった。それも論外だったが今度は庁舎そのものに入れないというのだ。公共の建物に納税者である都民を入れない。まさに従わざるもの都民にあらず、という一昔前の発想ではないか。都知事の言う民主主義のルールとはこんなものなのか。全くあきれてしまった。 
 先日の記者会見で、石原都知事は民主主義のルールを破ったのは住民だとでたらめを言った。しかし曲がりなりにも民主主義といって住民を非難したわけだ。ならばこれはどういうことか。庁舎にも入れないというのが民主主義のルールとでも言うのだろうか。


 ●知事室と財務局に申入れ

 埒のあかないやりとりの末、結局、都は入り口をあけた。私たちは静かに庁舎へ入って、知事室と財務局に抗議の申入れをした。しかし、ここでもただ申入れ書を受け取るだけと、木で鼻をくくったような対応しかしない。たまりかねた参加者から、せめて肉声が聞きたいと声があがる。人間がいるということを見せて欲しいという、切ないほどの呼びかけにも一切答えない。

 いったい都庁はどうなってしまったのか。あの入り口の封鎖は何だったのか?申入れ書を読み上げ手渡したとき、「はいわかりました」のひとことだけを発して、あっという間に知事室に消えたあの職員の態度は何だったのか?何を問いかけても、目を閉じたまま私たちを見ることすらしなかったあの財務局職員は何だったのか?
 暫く前までは、確かにひどかったが今ほどではなかったように思う。
 都知事が変わってひどくなったのだろうか。


 ●記者会見

 記者会見では、福士敬子(ふくしよしこ)都議会議員、中村敦夫参議院議員も参加して、この間の都の対応の不当性について訴えた。またこの場には参加できないからと、友達に手紙を託してくれたIさんの、感動的な手紙を読み上げた。少し考えれば誰にでもわかる、こんな簡単なことが、なぜ行政にはわからないのだろう。あらためて思った。 (S.H&K.S)