エコセメント中西証人尋問感想

証人尋問に至る経緯
エコセメント化施設操業差止裁判は、地裁での弁論終結2011年9月5日に最終弁論が行われ、判決が言い渡された。福島原発であのような事件が起こって僅か6ケ月後のことである。処分組合が、搬入焼却灰のセシウム汚染濃度を発表し始めたのが、同年7月で、「たまあじさいの会」が定点空間線量率測定を始めたのが、同年9月である。放射能汚染の実態が分かる前に結審され、地裁での判決が出されたので、エコセメント化施設からの周辺への放射能汚染が全く審理されずに判決が出されたのである。
したがって、今回の控訴審では、放射能汚染問題に関しては、双方が証拠を提出して裁判所が判断する事実審である。これまでのように地裁での判断を審査する控訴審ではない。高裁の裁判長は、すぐにでも結審をして判決を出そうとしていた。双方で準備書面で汚染の主張をしてきたが、控訴人側は、10回にわたる主張をしてきた。結審しようとしていた裁判長に、「映像でのプレゼンテーションでこちら側の主張をわかり易く説明をしたい。」と言っても、結審を急いだため、裁判長をしかりつける文章提出して、ようやく、プレゼンテーションが非公開の法廷で実現した。今の裁判長は、少なくとも科学的なことに関して、はっきり言って何も理解できない。相手側の稚拙なプレゼンテーションを褒め称え、梶山弁護士の証人尋問の請求に対して、準備書面で分かっているからと一度は退けた。しかし、再度の梶山弁護士のお叱りでしぶしぶ受け入れて、尋問が終わったら結審しますとまで言いのけた。
被控訴人側に立つ証人尋問
梶山弁護士によるプレゼンでの尋問により、こちら側の主張は実に見事にエコセメント化施設からの放射能汚染と放射能がトレーサーとなって、これまで私たちが主張していた化学物質や重金属による汚染も説明できた。
相手側の尋問は、相変わらず何もわかっていないので、私たちの主張を覆すどころか、場違いな質問であったことを露呈することに終始した。
その次に、梶山弁護士から、被控訴人の難癖をつけるような「たまあじさいに会」は、計量証明を発行できるような機関ですか」の尋問に対して、「土壌放射能を測定しているちくりん舎は、証明書を発行できますか」と質問していただき、今までも発行してきた旨の返答で括った。
たまりかねた、左陪審と裁判長も、被控訴人を援護するような尋問をしてきたが、彼らもまた何もわかっていないので、私たちの主張を覆すことなく証人尋問は、終了した。
尋問の証言は、重要な証拠である以上、裁判所もこのまま結審して被控訴人側に立ち控訴棄却をするわけにいかない。
そこで、急遽別室で会議を開き、その結果当日の結審はあきらめ、「たまあじさいの会」の測定した空間線量率のデータの信憑性についての双方の主張を、3月13日までに裁判所に提出するよう言い渡し、3月20日午後2時に812号法廷で。裁判所はそれを見て、結審するか今後の進め方を考えることで当日の法廷は終了した。
空間線量率のデータ信憑性より、土壌放射能のデータこそが、汚染の有無を決定づける証言をしたにもかかわらず、苦し紛れに「空間線量率のデータ信憑性」しか突っ込めなかった裁判所は、哀れとしか言いようがない。
いずれにしても、裁判所、被控訴人の連合との戦いは、これから山場を迎えることになった。梶山弁護士をはじめとする代理人の方々と、みなさまが多数で傍聴していただいたおかげで、結審を免れたことを感謝いたします。 控訴人 中西四七生

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